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読んだ小説の感想を書いてみたり。

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 選評つける時は印をつける評価基準を明記した方がいいんじゃないかという話です。

 今回の心臓は正選王が接戦で×1個の差でした。
 ○や△の1個の差は惜しいの一言ですむのですが、×1個ってものすごく重いのではないでしょうか。

 なぜならば私は気に入った作品に×をつける事が多いからです。
 ともすると○よりも×の方が個人的に評価が高いこともあります。
 他の方の選評を読んでいても○と△は「良いと感じた作品」「○に届かないが良いと思うもの」とわかりやすい一方×の評価基準が個々で違って曖昧です。私タイプの人もいれば、残念だと思う作品に×をつける人もいます。
 気に入っているのに×をつけて正選王逃したら申し訳ない事極まりないです。何らかの理由で○ではなく×なので×は○になり得ないのは重々承知です。それならば×の意図を作者様にも理解してもらう必要があると感じた次第です。
 もう一つの理由としては自分の中でも毎回評価基準が変わっているからです。
 今回がいい例です。<鈴をつける1>にどうしても◎を贈呈したかった私は、本来であれば○候補となり得た<鈴をつける3>に×をつけました(これで<鈴をつける3>が私の×で正選王逃していたら自分が戦犯になっていたかも、ぞぞぞ、というのがこの記事のきっかけ)。

 
 自分の基本のスタンスはタイトルと中身が合っていて(作品からタイトルへ帰結できる)好みな作品に○、好みだけれどタイトルと内容がミスマッチだと思うものに×をつけています。潔い方が好きなので参加当初から△はつけていません。

 今までの選評にも印をつけた理由は記載するようにしていましたが、もう少し明確に書いていくことを心がけようと思います。
 ついでに言えばタイトルの解釈も書いた方が選評としてはわかりやすいですね。


 潔いのが好きと言いながら、評価項目に△がないと一番困るのって△をよくもらう(通称△キラー)自分なんですけどね。

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500文字の心臓~第112回タイトル競作『鈴をつける』に参戦。

 総じて好きなタイプの作品が多くて楽しかったです。<鈴をつける1>があまりにクリーンヒット過ぎて印をつけるという点では他のがかすんでしまったのが正直な感想。作品の掲載順番って大事です。

◎<鈴をつける1>
>涼風がすがすがしい、早朝。
 心臓にもこういう作品がもっと増えればいいと思います。
 文字数に物足りなさもなければ蛇足気味でもなくて超短編特有の余韻は少ないけれど、逆にぴったりでまとめるって難しいのではないでしょうか。
 初読で◎つけたいと思いました。
 蓋を開けてみたら初参加の方だったようです。どうりで1行目の感想が出てくるわけですね。作風が偏りがちになるからこそこういう新鮮な作品は嬉しいです。本当にこういう作品増えればいいと思う。

×<鈴をつける3>
>鈴の子が迷い込んで来た。
 鈴の子との交流が和みますね。ストーリーとしては非常に好み。
 詰め込みすぎた感があって、「私」の感情が少々浮いているような印象を受けました。ストーリーの流れ的には「私」がそのように思うのは理解出来るのですが、読者が無理矢理そちらへ誘導されているといいいますか。特に最後の一文。
 何か印を贈呈せずにはいられないけど、◎使っちゃったので逆選を。

<鈴をつける4>
>「きゃっ!? 何やってんのよ、冷たいじゃない!」
 こういう作品は一つは出てくると思っていました。
 最初の数行で十字路の出会い的な作品に期待したのですけれどねえ。国立機関の人間にしてはちょっとしょぼいですね。

<鈴をつける6>
>交差点での信号待ち。
 前半と後半が分離していて、本題がすり替わってしまったような。
 ダンゴムシのくだりは不要と感じました。後半のあほくさい所は好きですが(とかかくと私が変態に思われるじゃないですか)。
 逆選王。こういう作品が王様になるのが心臓の一つの醍醐味です。

<鈴をつける7>
>菜の花が、果てまで
 惜しくも正選王を逃した作品。
 詩的で自分が最も書けないタイプの作品。文章の書き方と作品の雰囲気が独特の世界観を生み出しています。こちらも黙って耳を澄ましてしまいそうな。儚い作品だけに鈴をつけるというタイトルが浮いてしまっているような。

<鈴をつける11>
>この世界には飼い猫と野良猫しか存在しない。
 ↑このモチーフは好きだけれど、こう、もう少しなんとか一ひねりじゃないんだけど何かもう一つ欲しかったです。最後の一文は蛇足のような。
 他の方の選評読んで考えたこと。蛇足と言った最後の一文なければないで作者が飼い主についてわかっているかどうかという余計な疑問が生まれてしまうのでやっぱり必要なのかもしれません。でもね、なんかいらないんですよね。同じく選評の中で何か言いたいことがあるのはわかるという記載があって、それも何となく同意できるんだけど、世の中の作品てそんなので溢れているし、本当に言いたいことは相手に伝わらないと意味がない論者の私としてはそこは評価できないと思いました。
 ミネギシズムによりほんの一瞬だけ逆選王として君臨した作品。議論を醸し出せるという点で逆選向きの作品であったのは確か。

<鈴をつける19>
>かつり、かつり、かつかつ、かつり
 文面だけだとしゃれこうべが「私」に無理矢理連れて行かれたようにも取れました。そしたら私の自己満足だけの話だな、と。しゃれこうべが上機嫌で私が一言でも「一緒に来るかい?」と声を掛けていたのならば、楽しいお話で印候補に挙がったのではないでしょうか。

<鈴をつける21>
>「鈴は可愛い生き物がつけるものと
 正選王。
 またしても正選王スルー。文章は美しいです。自然の厳しさをうたいつつ、ちろちろと軽やかな鈴の音を対照的に出しているのも上手いなあ。
 でもね。海の中に潜って泳いだら鈴は鳴らないのでは?
 ペンギンの泳ぐ速度を考慮すると多少足が左右に動いたところで鈴は鳴らないと思うのです。自然の厳しさ云々で現実味を出すのならば後半も現実を追求して欲しかったなあ、というか置いてけぼりを食らった気分になりました。逆に自然が厳しいというのは鈴の音と対照させたかっただけにも思えたりして。前半ももっとファンタジー色強いのならば海が鈴の音で満たされるって素敵だし、表現は本当に素晴らしいのですけれど。
 どなたかのペンギンの存在そのものが奇跡だから鈴はいらないというのが一番しっくりきました。

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 500文字の心臓~第112回タイトル競作『告白』~に参加。

 純情中高生のこっぱずかしくなるような青春物語を期待していたけれど、なくて残念でした。告白と懺悔って微妙に違う気がします。
 作品数は多かった割に、全体的にタイトルに振り回されて消化し切れていない印象でした。どれもこれも作品に食われてしまった印象。下手にこねくり回すよりストレートパンチ食らわせた方が面白かったのではないでしょうか。
 選評も読んでいて触手がのびなかったので、気分の問題かもしれませんが。
 正直印も無理くりつけて選評全体が消極的になってしまいました。

×<告白1>
>友人が家に来た。
 せっかくストレートで攻めてくれていたのに、なぜあそこで終わらせてしまったのでしょう。残念。逆選で。

○<告白6>
>よくある類のジンクスで、
 この彼女じゃ調教の結果ををうまく見せても気づいてもらえなかったかもしれませんね。
 愛を告白系の中では比較的良かったかと。
 僕が淡々としすぎている印象を受けました。もう少し意気込みっぽいの(空回りだとなおよい)やドキドキ感が伝わってきたら正統な○であったと思います。

<告白8>
>本当のことはそっと小瓶に入れる。
 正選王。
 個人的には告白とは少しずれていると感じたのですが(テーマならばともかく、タイトルとして)、他の作品がふらふらしているのに対しぶれていないので際だって完成度が高いです。心臓っぽいし、心臓受けしそうな作品で正選王っぽい作品。

<告白10>
>草をひく。
 題材は素敵だけれど、もっと狂気じみた雰囲気が欲しかったです。

<告白13>
>はい、ごめんなさい。
 いつもの私のことですね。これって告白じゃなくて懺悔ですよね。共に懺悔しましょう。ただ、自分が常習犯なせいかこの文章も常習犯に見えてしまって、告白感が足りない気がしたのも事実。
 某氏が某所で同じネタを出してきて、今回の告白に関しては、このネタで作品の1/3が占めていた方が競作イベントとしては面白かったと思ってしまったり。ネタかぶりにも程があるけれど、誰が一番切迫感、告白感を伝えられるのか。

○<告白16>
>あの日、両親は
 落としどころはすごく好きだけど、それまでの過程がいただけませんでした。オチに持っていくためだけの存在になってしまっていて、それ以外の必要性がないように感じました。前半全く別の方向から攻めてあのオチに持っていって欲しかった。本当にオチは何度読んでも好き。
 雰囲気そのものは悪くないし、他に贈呈したい作品もなかったので消極的に○を。

<告白21>
>誰からも愛されています。
 なんだか1回読んだだけでやたらインパクトがあるんだけど、選評を書く気まではならない作品は峯岸さん作でいい気がしてきました。

<告白22>
>聴罪師の私の元へ
 なんとかすれば面白い作品になったのかも。題材そのものは悪くないと思っています。
 段落の最初の文字が空白でないとか、牧師なら私事にかかわることでも懺悔を聞いて泣くことはないはず(号泣はやりすぎ)とか、視点がぶれているとか気になるところが多すぎました。

<告白26>
>私は実はどうしようもない善人なのです。
 逆選王。
 も、ももももも、申し訳ございません。あまり読んだ記憶すらふっとんでます(リアル告白)。

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  超短編・500文字の心臓~第111回タイトル競作『煙』~に参加。
 

 今回も他の方の選評を受けた上での感想的何かをざざっと。印は変えてません。

○<煙3>
>私は重い瞼のまま、
 煙という存在を見事に表現できていると感じました。たくさんの原因不明煙がこちらへ向かってきた時を考えると誰もが同じような行動を取るのではないでしょうか。
 終わり方が残念。私がそこで意識をなくしたのなら「、」では終わらないだろうし、わざとその先をぼかすのなら「……」の方がいいのかなというのはあくまでも自分の好みですが。ラストさえ気にならなければ◎にもなりえた作品。

○<煙14>
>こっこれ、受け取ってください、
 蒸気機関車のごとく立ち去る少女(自分の中では中高校生)が何とも可愛らしい。
 煙じゃなくて湯気だろうと言いたいのですけれど、他に○を贈呈したい作品がなかったのと少女?がかわいらしかったので、やや消極的に○贈呈。

×<煙19>
>「お嬢さんと結婚させてください」
 掲示板で物議を醸し出した作品。
 「ハンディ」のくだりは言葉選び以前の問題でこの作品には不要と思いました。一方で、具体的な内容を書かずにぼんやりした「ハンディ」という言葉を使用したが故に余計にややこしくなったのも事実だと思います。微妙な表現と言えば微妙。
 私個人は純粋に「このくだりイラナイ」と思って読み飛ばした派です。
 最初の選評で「話としては好き」と書いたのですけれど、掘り下げてみたらちょっと違う気がしました。たぶん、様々な問題を抱えた上で好感が持てるというのが正しい表現なのかもしれません(冷静に突っ込ませると他にもちょっとん?と思う部分はあるので)。
 心臓ではどうも上手いこと言いつつコメディ調のもシリアス調のも殺伐とした印象を与える作品が多いです。そんな中で不器用な父と婿の交流という心温まるエピソードが描かれているというのは、個人的に評価したいのです。500文字という短い作品の中ですから、表現をとことん突き詰めるのも面白いけれど、そういうのばっかりだと飽きてしまうので人間くさいのに惹かれたっていいじゃないですか。
 なので、心臓以外でこの作品を読んでいたらまた評価が変わるかもしれませんね。

<煙1>
>夜、街の上空を白濁した光る流れのようなものが
 ネタがわかりませんでした。
 前回の流れからすると、誰か一人くらい解説してくれるはず。……とか書いてみたけど、結局わかりませんでした。

<煙5>
>タバコに火を点ける。
 煙を上手く処理して綺麗に纏まっていると思います。儚さがよく出ています。
 「煙」というタイトルを考えた場合、確かに「煙」なんだけど、なんかしっくりは来なくて、ネタとしてはありがちなので印をつけるまでには至らず。
 →しっくり来ないのは既視感なのかなあという気も。

<煙6>
>停留所の時刻表によると、
 伏線の張り方とか話としては好きです。
 タイトル競作として考えた場合、煙の人&バスのが「煙」というタイトルだから出てきたという感じで存在意義があまりよくわからなかったのが残念。
 超短編は全てを説明する必要は無いものだし、わけのわからない感を楽しむものではありますが、逆に言えばそれを突っ込ませてはいけないものでもあるように思います。いかにもそれが当然のように書かなければいけないというか。それが難しいのですけれど。
 →他の人の選評読んで「煙に巻く」作品だったのかなと。話は面白いけど、やっぱりタイトル競作として考えるとタイトルに負けた(「煙」というタイトルで無理くり作った感)が強いです。<19>とは逆に心臓だから評価が下がったタイプ。

<煙8>
>こんな田舎の国で、
 なぜだかどんどん高級になっていくCAMRYのことでよろしいでしょうか?
 →これも煙に巻く系だったのですね。ならば<6>の方が好み。

<煙9>
>放射能予測の隠匿が問題になった際、
 こういう(いい意味で)アホっぽいのは読んでいて楽しいです。
 ただ、こういうのって世界規模で研究されるものであって、キュウリ色や金煙というのはあり得ないと思うのです。楽しくというのはわかるけれど、視点が狭いと感じました。
 →が、同じ突っ込みをする人はおらず。残念。みんな気にならないのですね。

<煙11>
 正選王。
 すみません、全く印象になかったというか、気にとめていなかったというか。
 多分上手いのだろうし、いかにも心臓では好まれそうな文章ではありますが、おそらく作者さんの中の煙と私の中の煙のイメージが乖離しすぎて、私には「煙?」という感想しか出てきませんでした。もう、これは完全なる感性の違いで、作者様ごめんなさいです。
 私は周りにも「恐ろしいほど現実的」と言われる人なので、足が地から離れるような想像は苦手なのです。きっと世間的には素晴らしい表現である「時差のある万華鏡」も、自分的には万華鏡って元々時差のある物(回してから絵柄が変わるから時差ありますよね?)だからどういう表現をしたいのかがわからず、むう。ドミノ的に次々と絵柄が変わるみたいにとらえればいいんでしょうか?
 一人くらい現実見る人がいた方が世の中うまくいきますよ、と言い訳しておきます(実に言い訳だな)。
 
<煙16>
>会社の同僚の口元を良く見ると、
 5段落までは面白い。

<煙21>
>私は、とある町の十字路に居た。
 話は面白い。
 「煙のように消えていった」意外に煙を感じ取れませんでした。この作品をタイトル競作ではないところで読んで、Tシャツにもっと面白いことが書いてあったら◎にしましたのに。

<煙22>
> 食事の時間になり
 逆選王。
 強いですなー、の一言。
 前回今回選評すら書いていない私ではありますが、印象に残る(頭に何かひっかかる)作品を書かれる方であるのは事実。上手いのも事実。
 じゃあ、なんで自分が選評を書くまでに至らないか、というのは今後考えてみます。単なる好みの問題だけではなさそうなので。

<煙24>
>煌めけるような気もしたけれど、
 作者が違えど毎回この手の作品が出てくると辟易。
 上手いことをいうという点では頭を使っているのかもしれないけれど、タイトルから発想をするという点では思考放棄をしているようにも感じ取れます。
 前回はこういうネタが多かったから別の路線で攻めるくらいの発想はして欲しいですし、似たようなネタを使うのならば別の方向で直球勝負をして欲しいです。
 というわけで、ろくに読みませんでした。すみません。

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 超短編・500文字の心臓~第110回タイトル競作『K』~に参加。
 選評以外の部分で追記。

 今回選評掲示板で話題になった謎解きの話題だったりタイトルについて。
 私の解釈としてはタイトル競作として理想的な形はタイトル→作品→タイトルというものです。タイトルから作品が書かれたのがわかって、読み終わるときちんとタイトルに帰結しているもの。上手いこと言ったとか、仕掛けがあるとか、そういうのは関係なくてタイトルにきちんと帰結しているかが一番のポイントにしています。作品は好きだけれどタイトルとかけ離れているものに×をつけてます。なので、個人的には×の方が好みだったりすることも多々。
 謎解きはですね、私は知識というものは読んだ片っ端から忘れていく人間なので、知識がないと楽しめない作品というのは好みません。知識がなくても楽しめて、知識があるとさらに深く楽しめる作品がよいです。シンプルでも良作というのはたくさんあるのです。絵本のように。そういう意味ではあれだけ謎解き作品があって、正選王がシンプル作品に落ち着いたというのは皆さん何かしら謎解きに対して感じるものがあったのではないでしょうか(という私は正選王に入れていませんが)。

 心臓では結果発表後に作者様が自作の解説を色々されていることが多いですが、自分の中では作品の文字数より解説の方が文字数多いのは完全アウトです。言いたいことは全て作品に詰めるべきと考えています。これこれはあの人の言葉を引用みたいなのはわかる人だけにわかればいいんです。小ネタをちょろっと程度でお願いしたいのが本音。

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