読んだ小説の感想を書いてみたり。
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辻本洋著「ピー」
ゆるゆるSF企画というのがあるらしく、そちらへの参加作品だそうです。
「ピー」
タイトルからコメディの臭いがぷんぷんで、以前読んだ辻本さんのコメディが面白かったので拝読。
地球との外交任務目的で日本へやってきたリツギ星のピー氏のお話。
この手の話で地球人と宇宙人が交流してろくな事になるはずがなく、そんな期待を裏切らない作品でした。
前半は特にツッコミ所ももなく真面目な地の文が続くのですが、その丁寧で真面目な文章がリツギ星人の真面目な人柄(星人柄?)を表しており、後半のすれ違いから生まれる笑いをより面白いものにしています。
ピー氏のとっておきはそれかよ!としかつっこめないし、浜中さんのぼやきもあれだし前半で抑えていた笑いがどっと押し寄せてきます。
突飛な発想で押し通すのではなく基本を抑えた上で笑いをとり、最後のオチまで美しくまとまっている作品で好感の持てるコメディでした。
私がよく言う読者を殴りにかかってこられる作家さんだと思います。
面白かったです。
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