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読んだ小説の感想を書いてみたり。

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茶林小一著「やまあり」

 知り合いの博士こと茶林小一氏が童話を書いたらしいので読みました。
 「やまあり」

 平原に立つ?二つの山に集まる旅人達の話。
 結論から言ってしまえば博士を知っている人が読んだ方がより面白い。
 表と裏の意味で楽しめるという意味で。
 
 表の普通の童話として。
 二つの山を巡って人間の本質が語られていて、何も知らない人が読んでも十分楽しめます。他者から見ればどうでもいいことで争い合う人間。はじめのたびびとの埋葬のくだりは悲しくてやるせない出来事であり、妙に納得出来ることでした。はじめのたびびとのためにと言いながら、彼の願いは誰にも伝わっていないというのがなんとも。
 最終話の内容は博士がさんざんテーマにしている部分に通じているので、ニヤリとできました。

 裏の童話???として。
 もうこれは、乳星人である博士を知っている人ならば第一話のタイトルを見て同じ事を考えたでしょう。
 これは隠喩ではないかと。
 おふざけがいつ来るかと読んでいるとそんなことはなくてあれ?と思うのですけれど、よく読んでみると乳に対する主張はいつもと変わらなくて「大きい方がいい」って書いてありますよね?これ。
 特に一話目の「われわれのてで、おおきくすればいいのだ」から「おおむね、よろしいとおもう」の下りは完全に趣味の話をしていますね。本当に大胸好きですね。

 ひらがなばかりの物語でカタカナが出てくるのに違和感があるのと、もっと言ってしまえば全てひらがなにする必要があったのかというのはあると思います。童話だからひらがなと見えなくもなく。漢字を入れても童話として成り立つと思いました。

 博士の表と裏が共存している話はあれど、どっちかに偏っていることが多いのでバランスよいのは珍しいと思います。博士の本質が詰まりに詰まっているので、そういう視点で読むと非常に面白いと思います。

 ついでに朗読版が限定公開されていたので聞いてみました。
 これはこれで面白かったです。私は夜のNHKラジオのテンションが好きだったりするので、淡々と語られる物語は楽しめました。
 そして、ラジオドラマはともすると話においていかれることがありますが、難しい表現はないので耳に優しいお話でした。
 私が関東人なのをいいことに言わせてもらえば発音揺れがたくさんありましたので、精進していただければと思います(じゃあ、私が美しい発音をしているかと言われればそうでもないのですけれど)。

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