読んだ小説の感想を書いてみたり。
- 2024.11.23 [PR]
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オンライン文化祭2013~帰~に寄せられた作品のうち各部門において優れた作品に贈られる賞。作品編。
ネタバレはしませんが、作品の方向性はわかってしまうので気になる方はご注意を。
●テーマ賞:
『ただいま!』 (BUTAPENN様)
『ニューボーン2』 (yamanun様)
小説部門とその他の部門から一つずつテーマである「帰」を最も生かした作品に贈られる賞。
「ただいま!」は、私はストレートなのが好きで、テーマそのものの家に帰るに終始した作品
だったので。ただ、帰るだけじゃなくて主人公の帰りたい気持ちや帰る家(両親のこと)にも触れられているのがいいです。
「ニューボーン2」は書き込みすぎないシンプルな絵柄に反して、テーマの帰に戻るまでにぐるりと回って絵では語られない部分がたくさんあります。テーマがあって奥深さが出る作品。
●オンノベ賞:
『例え身は異国の地に眠ろうとも』 (三田村優希様)
『にふぇーでーびるにらいかない』 (tomoya様)
商業用でも、同人誌でもなくオンラインノベルだからこそ読みたい・書ける作品に贈られる賞。ダブル受賞です。
「例え身は異国の地に眠ろうとも」はルポタージュ的作品で、企画作品ではなかなか見かけないので貴重です。こういった小説とは少し違う視点に立った作品は企画でもっと増えて欲しいものです。
「にふぇーでーびるにらいかない」は動く文字、文字の並べ方、空白の取り方などオンノベでなければ味わえない作品です。最近のオンノベは内容のレベルが高い代わりにこういった遊び心(でも、内容もしっかりしている)のある作品をあまり見なくなったのでオンノベ賞を贈ります。
●流行語大賞:
『河童の王子様ですって』 (菜宮雪様) アリマセ「嘘ですよーん」
是非とも日常生活でみんなで流行らせようじゃないかという台詞に送られる言葉。厳密に言うと「嘘ですよーん」を流行らせたいというよりも、その前のアリマセのあのつかみ所のない微妙すぎる嘘を流行らせたいのかもしれません。
●タイトル賞: 『帰懐葬々』 (彩真創様)
タイトルの付け方が上手いと作品に贈られる賞。
比較的ストレートなタイトルが多かった今回の企画の中でぱっと見内容がわからなくて=興味が湧いて、作品を読んだ後タイトルに戻るときっちり内容を反映されているタイトルでした。自分ではこういったタイトルはつけられないという尊敬も込めて。
●グッドデザイン賞: 『Going HOME~空と水~』 (カリキモトコ様)
ただのだまし絵ではなくて幾何学的なデザインと色使いが美しくてオシャレ。できることならばPCのデスクトップにしたいです。
●舞台賞: 『時の欠片』 (耀華様)
赤茶色に錆びた街の風景が脳裏から離れなくなるほど印象的でした。錆びた街に行ったかのような感覚になるのは錆びた街の描写力に対して現代の街の風景に関しては書き込みすぎないという塩梅の上手さによるものかと。
●構成賞: 『甘味組曲』 (青波零也様)
短編連作という形をとりながらも最終話以外は単発で読んでも話が完結しているのと、一話があれだけ短いのにきちんとスイーツと絡めて話をまとめているという完成度の高さでした。
●ベストオープニング賞: 『アロハな夜』 (佐伯もや様)
始まり方が最も好きな作品に贈られる賞。
睨む猫の「君は嘘つきだ」で一体何が起こるのだろうと心を掴まれました。猫好きなので、猫が睨んだ顔に惹かれた部分も大いにあり。
●ベストエンディング賞: 『エレベーター・ボーイ』 (春野悠様)
終わり方が最も好きな作品に贈られる賞。
全ての謎が解明されたすっきり感と二人の関係が始まろうとするそのすれすれ具合が好きです。最後の台詞も恋の始まりとも取れるし、経過を知っている人にはクスリと笑える一言で読後感が爽やかでした。
●エンタメ賞: 『アルノルド・サガフィの帰郷』 (GB様)
エンターテイメントとして最も優れた作品に贈られる賞。
一人一人のキャラクターが立っているのもよいし、ストーリーも銃口を向けられる冒頭に始まり、逃走劇の中黒幕がいたり最後に大どんでん返しがあったり本当に「楽しむ」ための小説でした。
●コラボ賞
『源天海樹』 (吉田ケイ様)
『源天海樹に想う』 (猫様)
元々は吉田さんの作品にファンアート?な位置づけで猫さんが詩を書いたものを吉田さんが合体させています。それぞれの作品の完成度も高いけれど、二つの作品が一緒になったときに互いが互いの良さを高め合う最強コラボレーション発動で、もう二つをわけて考えることは出来ません。合作の意味を改めて考えさせられました。
●コメディ賞: 『オフクロー!』 (いすず様)
常日頃よりコメディたるもの読者を殴りにかかれと申しておりますが、まさにこの作品がそうです。私の目指す、そして愛するコメディがここにあります。突っ込み所満載、でも本人達は大まじめに熱いというギャップがたまりません。
●掌編賞: 『ユスラゴの花の香り』 (恵陽様)
掌編好きな私がもっと掌編が増えればいいのにと設立した短い作品の中で優れた作品に送られる賞。
短い物語で夫婦の愛ありユスラゴの存在感あり6枚とは思えないほどの厚みがあります。本当に綺麗に纏まっている作品で、長いだけが小説だけじゃないと声を大にして言いたいです(つまりは5枚以下の部門もプリーズという希望)。
●癒やし賞: 『orientation』 (満マロン様)
この作品は本当に何度見たことか。大きなストーリーがあるわけではないのに見る度に元気をもらえます。作品の力というものを感じます。
●共感賞: 『Lost stuffed animal』 (かおるさとー様)
育った街に戻ることやら小(中)学生の友達に対する不安定な感情やら過去の自分に対する罪悪感やら自分も通ってきた道がそこにあって共感できる部分が多かったです。奇想天外ではなくて日常のミステリー仕立てになっているのも共感。
●青春賞: 『くもり夜空と律儀な旧友』 (三崎春哉様)
高校時代の日常やくっつき過ぎない微妙な関係は青臭さ全開でした。主人公達がリアルタイムで青春しているわけでは無いけれど、物語に青春が一杯つまっていて大人になるとはと考えてしまいました。
●タイミング賞: 『おかえり』 (水成豊様)
作品は出会うタイミングで印象や受け取り手に与える影響が大きく変わってくるものですが、今出会えてよかったと思う作品に贈られる賞。
5年前の私だったらこんなに感銘を受けないだろうなあと思うくらい、見ていて切なくなりました。久しぶりにキュンとして心が揺らいだ作品でした。
●もっと早く書きま賞: 『女神の帰還』 (楠沢朱泉)
誰よりも遅い自信があるので、吉田さん毎度ご迷惑をかけてすみませんでしたと懺悔をする賞。
ずっとやりたかったオンライン文化祭大賞。
各分野で素晴らしかった作品に賞を贈ります。
あからさまなネタバレはしませんが、賞の内容いかんでは鋭い人には話の方向性がわかってしまうのでご注意ください。
まずはキャラクター部門から。印象的だったキャラクター達に贈ります。
●主演男優賞:
『アーミン・プレストン卿と鏡の国のビクスビー』 (早瀬千夏様) ビクスビー
横道すぎてアレですが、4年間にわたり読者に笑いと笑いと笑いと感動を与えてくれた、執事様の引退記念?に賞を与えたいと思います。ありがとうビクスビー!
●主演女優賞: 『なには無くとも』 (koharu様) 篠塚奈津
年頃の女性らしい悩みや弱さを持ちながらも、芯はしっかりしていて強い奈津はつい応援したくなります。等身大の女性として好感が持てるから自然に多聞との幸せも願ってしまいます。
●助演男優賞:
『JAP!!!』 (ろく様) 太郎&二郎
『Te un ek~私とあなたの帰る場所~』 (唯胡様) タガミ
本来ならば一人だと思うのですが、どうしても絞りきれなくてダブル(という名のトリプル)受賞です。
オネエな太郎ちゃんは普通に人気だと思うし読んでいて楽しいです。意外と二郎が気に入っています。キモオタまっしぐらなあの台詞達がたまりません。改めて言っておきますが、実際にいたら一番嫌なのは二郎です。
タガミは嫌な奴だし正直好きでも何でもないし、いい奴だったらそもそも違う奴になってしまうんだけど、掘り下げると面白くて気になるという理由でどうしてもこの賞からはずせませんでした。
●助演女優賞: 『無言』 (五部臨様) リリア
台詞がないのと主人公がリリアと親しいわけではないので描写は少ないのに、ひたむきさが伝わってきました。ラストの方で物に囲まれて寝ているシーンを見てとても愛おしくなりました。台詞があって動き出したらさらに好きになるでしょう。
●脇役賞: 『或る戦士の記2』 (かみたかさち様) 兵士達
2コマ目に出てくるモブの兵士達。昨年もぽろりと言ったような気もしますが、ワーといいながらあの緊張感のなさが好きです。今年も見られて満足。
●ライバル賞: 『姉の告白』 (ページのP様) 立川
正確にはライバルにすらなれていないのですが。うぬぼれ具合が爽快。この人一生残念ポジションだよと思うと哀れなので、せめてライバル賞を。
●子役賞: 『隣の彼女』 (未蛹ようか様) “彼”&“彼女”
大人になった二人もイケメン&美女でいいのですけれど、ともかく子供時代の二人が可愛いです。影のある“彼”もいいし、とにかく押しの強い“彼女”が見てみてほっこりします。
●人外賞: 『帰途 小景集』 (小林様) 佐藤幸子
不思議ちゃんでちょっと不気味なさっちゃんは「めっちゃ好き!」というのとは違うけれど、人外として私がいつも書きたいと思っているタイプの子です。理想が目の前にいました。
●ベストカップル賞: 『The Forestkeeper』 (Jules様) エリーザ&イーサン
40年の時を超えて出会った二人にはロマンスという言葉がぴったりです。幸せになって欲しいという願いも込めて。
●ヒューマン賞: 『荒野に帰す』 (廿楽杏様) ナターシャ
最も人間の本質が描き出されているキャラクターに贈られる賞。
ナターシャと同じ立場に置かれたら誰しもが彼女と同じ言動をしてしまうのではないでしょうか。現実とは遠く離れた世界の物語なのに、自分があの場にいたらと考えるとぞくりとするのです。
●ベストオブキャラクター賞: 『交叉軌道』 (招夏様) 石動良
好きとか共感できるとかそういうのをぶっ飛ばして、ずっと私をやきもきさせ、時にはイライラさせ、負けちゃいけないと思いながらまたイライラするという。この人の言動に一番感情を振り回されたのは確かです。若干「彼のことが忘れられないの」状態。
ついったでの感想まとめその4。
『源天海樹』(吉田ケイ様)
『源天海樹に想う』(猫様)
元は吉田さんの絵。そこファン作品として猫さんが詩をつけたもの。合作を見てしまうとこれは一つの作品として取り扱う以外の選択肢がないほど互いが互いを高めあう最強コンビネーション。幻想的なだけでなく生命の力強さを感じます。
『早く、早く』(吉田ケイ様)
作品からにじみ出る焦燥感、不安感が見ている者にも伝わってきます。子供向け物語のワンシーンのようなイラストで、この一枚から色々な物語が作れそうです。メイキング好きなのですが、もう何をやっているのかさっぱりついて行けず(笑)
『はやと早く』(三田村優希様)
吉田さんの「早く、早く」からのインスピレーション小説。私がイラストからイメージした作品と全く違ったので、やっぱりこういうのって面白い。親子愛が全面に出ていて、こりゃ書く人の中身の違いですね。短いしイラストと一緒に読むべし。
『夕闇をふたり』(カリキモトコ様)
今回も黒の魔術師カリキワールドでした。黒を使うと言っても毎回違った使い方をしてくるのがカリキさんのすごいところ。ザクザクと太めに書かれた人物の黒が味わい深いです。あの薄暗さがただ夕日が美しいだけじゃないって思わされます。
『Going HOME~空と水~』(カリキモトコ様)
だまし絵というのはだまし絵屋さんしか書けないものだと思っていたので目から鱗がぽろり。幾何学的なものに感じる美しさについて小一時間ほど。純粋に色が好み。
『おかえり』(水成豊様)
母親の表情が見えなくて、子供のはしゃぐ様子に嬉しそうにしているとも、切なそうにしているとも取れるんだけど、私はどちらかというと後者で受け取っていて、この作品を見る度に胸がキュンとするのです。でも、何度も開いて見てしまう。そしてキュン。
『ニューボーン2』(yamanun様)
水から生まれた生命が鳥になり空へ羽ばたき、また骨になって水へ「帰る」という壮大な内容をシンプルな一枚の絵で表現されています。紙の白=空白を恐れずかといって無駄にしないのは書く人の実力以外に他なりません。
『アロハな夜』(佐伯もや様)
何気ない日常にただすれ違った人が着ていただけのアロハシャツがいい小道具として利いています。第三者から見れば服装も一緒じゃん!てあたりでじれったさがMAX。ただ帰るだけ、だけどそうじゃない話。
『幸福のひとこと』(かみたかさち様)
前半台詞が一切ないにもかかわらず、登場人物の人柄、感情がよく伝わってきます。そして、前半の無音が最後の一言に大きな深みを与えます。ラストもいいですね。
『或る戦士の記』(かみたかさち様)
今年もプッと吹き出す笑いを提供していただきました。4コマなのに去年の設定が生かされていたり、戦士のキャラが立っているのがうまい。どう考えてもコピペの部分が何度見ても笑えてこの作品の最もすごいところかも。
『隣の彼女』(未蛹ようか様)
4コマ連作という形を取りながら、少ないコマでキャラの背景等書いているのが上手いです。ラストはニヤリとできます。彼女の押しの強さも好きだし、新人君も母性本能をくすぐられますね。ほっこりします。
『たねや植えけん』(BUTAPENN)
遅読、歴史×な私には少々テロップが早い部分もありますが、歴史物としてとっかかりやすくよく出来ています。見ると八丈島に行ってみたい気持ちになるので、八丈島PR映像にしてもよいと思いました。
『orientation』(満マロン様)
実は感想を書くまでに一番読み込んだ作品。イラストの美しさに心を奪われすぎて話を理解するまでに時間がかかってしまったという恥。見ていて明るい気持ちになれます。双子?の可愛さもさることながら、あのオチをわかっててタクシーを使いこなすご主人にあっぱれと言いたい。
『帰懐葬々』(彩真創様)
静けさに包まれる青に鉄槌と瞳の紅が印象的。不気味な鉄槌の赤と悲しさや絶望を宿している瞳の赤と、同じ赤でも違う印象を抱きました。個人的に一番好きだったのは宣伝イラスト。
ついったでの感想まとめその3。
『Lost stuffed animal』(かおるさとー様)
8年ぶりの故郷とか、昔の友達との再会とか自分のことと重なって懐かしい気分になりました。あの感情も若い女の子独特の感情ですね。懐かしさと同時に哀愁も感じたり。日常系ささやかミステリーは好きなので嬉しい限り。
『帰途 小景集』(小林様)
どれもよくある話だけど、飽きずに読めるのは小林さんの筆力故。どの作品もタイトルと最後の余韻がいいです。一番好きだったのは「祈り」。なにげない別れ話で二人ともダメダメなのに、何度も読んでしまう魅力がありました。
『にふぇーでーびるにらいかない』(tomoya様)
見せて勝負するオンノベを久しぶりに見て、懐かしくなりました。言葉の選び方、文章の構成、配置、スペースの取り方全てが細かく計算されています。ブラウザの画面は極力大きくした方が雰囲気出ると思います。
『オフクロー!』(いすず様)
ふざけた?世界感をどこまでも貫いているのがよいです。コメディたるものこれくらい読者を殴りに来て欲しい。バブル期のリゲインCMを思い出すような雰囲気。ぜひとも和食のお供に。しかし、誰よりも重労働を強いられているのが主人公という……。
『Te un ek~私とあなたの帰る場所~』(唯胡様)
本筋とは逸れるのですが、タガミというキャラクターについて掘り下げると結構面白くて、なんだかんだで彼も一途だったのであの性格さえなければトオノよりも応援したなあ。や、性格違ったら話にならないし、キャラも変わるけれど。
『JAP!!!』(ろく様)
暴力表現ざくざくではあるものの、教訓とか感動とか一切捨ててエンタメに徹したクレイジーな世界観が読んでいて爽快。三兄弟もいい味を出していて、台詞が好きなのは二郎で、実際にいたら一番いやなのも二郎。
『姉の告白』(ページのP様)
知り合いの話をちょいと思い出しました。短い話なのにお姉さんのキャラクターがしっかり立っています。ぱっと見「帰」という印象はないのですが、よく読むと至る所に「帰」が入っているのが面白いです。
『女神の帰還』(楠沢朱泉)
2年連続トリ位置を取った上に作品完成もギリギリという誰よりもチャレンジャーな作品。読むとイイヨ!
ついったでの感想まとめその2。
『王冠の涙』(早瀬千夏様)
とことん予想通りに破滅へ突き進む展開にやきもきさせられました。優しい童話口調で人間の欲、弱さ、汚さを非情に描いていて、いい人で終わるキャラクターがほとんどいないというのが面白いし好みでした。
『アーミン・プレストン卿と鏡の国のビクスビー』(早瀬千夏様)
とにもかくにもおめでとう! 毎度安定のプレストン卿。ビクスビーさんの軽快な語り口と、愛すべきキャラ達が健在です。ビクスビーファン(とベンファン)は必見!
『アルノルド・サガフィの帰郷』(GB様)
話の筋はもちろんながら、アルノルドというキャラがつかみ所がないんだけど、一本筋が通っていてつい興味深く観察したくなるタイプで楽しんでました。起承転結を含めた話の構成バランスがいいし、殿下がいかにも女性受けしそうでいい。
『昨日来た道 帰る道』(猫様)
年齢的なものも相まってついうちの猫に思いを馳せてみた次第。7年とか17年て幼い頃は気の遠くなる期間だったけど、今になると遠くて近い過去で、この年になって読んで良かったかもしれないと思いました。
『ユスラゴの花の香り』(恵陽様)
ユスラゴの花は夫婦の幸せの象徴であり、別れの見守り役であり、そして今後は彼女の心を癒やす存在になるのだろうなと思いました。短い作品にユスラゴを全面に押し出しているのにしつこくなりすぎず、印象的に仕上がっているのが上手いです。
『交叉軌道』(招夏様)
あの兄弟は声よりもあの煮え切らない態度がそっくりだと思う派。純粋に好みの部分で作品自体に特別な感情はないのだけど、別の部分で色々葛藤したというか、罠に嵌められたという気分。
『雲路をたどりて』(かみたかさち様)
わかっちゃいたけど、その通りの結末になってしまったことが非常に残念であり寂しく感じます。最後にタイトルに戻ると余計に哀愁が漂います。人間の弱さと国の儚さがよく表現されています。みんなで企画最高齢?のおじいちゃんを応援しましょう。
『なには無くとも』(koharu様)
毎回作風が違うのに、しっかり私の好みをついてくれるのが嬉しいです。自分が想像していた展開とは違う方向へあれよあれよと持っていかれ、ラストまでいい意味で裏切られたと思います。
『無言』(五部臨様)
一匹狼の主人公視点で語られていて、タイトル通り台詞がないので殺伐として物寂しく物語が進むのに、ラストがほんのり暖かい不思議な作品でした。みんなの贈り物と、塩スープにささやかなぬくもりの幸せを感じます。
『河童の王子様ですって』(菜宮雪様)
昨年に引き続きどこからつっこんだらいいかわからないジョブがあちこちで炸裂しています。アリマセの「嘘ですよーん」はオン文流行語大賞にノミネートしてもいいレベル。それにしてもなぜ二人はあんなにすれ違うのか……。