読んだ小説の感想を書いてみたり。
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『The Time Over And The Heat Over』
この方はハードボイルド系好きなんだろうなあというのが作品全体から伝わってきました。自分がどういう思考回路をしたかは覚えていませんが、自分の思っていた方向とは逆の方向で話が纏まったので、それはそれでよい裏切りであったと思います。
テーマへの考察:もともとは熱暴走がテーマと絡んでいるのですが、最後は作中にも書かれているとおり人の温かさの熱へと変換されています。このエネルギーの変換が上手いです。
『真夏に降る雪』
この手のコテコテ異世界FTを最近見かけないのが残念で仕方ありません。鼠のエピソードってさらっと読み流してしまいがちだけど、ここから色々なことが推測できるので、鼠にしたのってすごいんじゃないかと思いました。
テーマへの考察:熱が奪われてしまった物語であり、熱を取り戻す物語。前者の考え方は面白い反面、「凍る」とか「氷」でもテーマとなり得てしまうので、後者で捉えるのが良いのかもしれません(え?両方でいいじゃないって?)。
『機関熱』
このまま雑誌に載せてしまえばいいんじゃないでしょうか。この手の好きな物語りは興味ない人にはよく分からないものになりがちですが、バイクに無知な私でも「へー」と感心することがたくさん書いてあって、作者の気遣いと筆力を感じました。
テーマへの考察:「エンジンは日本語で熱機関」だそうです。エンジンの話ももちろん出てきますが、何よりも熱いのは作者であるページのPさんのバイクに対する想いです。
『ボーダーライン』
タイトル通り細いボーダーラインギリギリ立った少女達の話。思春期の女の子の独特の感情だろうなと思っております。そして、結衣子と律で進む先が違うんじゃないかと勝手に想像してみたり。
テーマへの考察:彼女たちの思いは何よりも熱いです。燃え上がるようなとかじゃなくて、じわじわと奥底からくすぶるような、押し殺した熱い想いです。触ると火傷はしますね。
『ブルーマウンテンの所為』
基本をしっかり抑えた設定、話の流れであるからこそ後半の裏切り展開がよく効いてくると思います。きちんとその後をフォローして元の道に戻しているのがお見事。大人でも楽しめるけど、若いうちに読めばまた違う感想が出てくるのかと。
テーマへの考察:レイコのぬくもりの熱。熱というよりは温かさやぬくもりの方が近いので、熱度は弱めかと思われます。
『追懐の青』
それを怪物というのか否かという点に関しては、物語の背景を探るに怪物であったと思います。アルブレヒドとランツェの関係が板についてきてよい感じです。地味に城主のキャラがよいと思います。
テーマへの考察:この作品も熱を失った村の物語。過去のキャラクターを使っているというのがどれだけ影響しているのかはわかりませんが、テーマがわかりにくくなってしまっているのが少々残念です。
『クリスマス☆さぷらいず』
パッション!でマジ大爆発です。笑いたい人は読むべし。ホテル関係者達のプロの仕事ぶりにも注目です。何よりも昨年の「ゆずり葉の系譜」の方だということがサプライズでした。
テーマへの考察:パッション!パッション! 冒頭での伊佐美君の燃えたぎるような熱い想いはもちろん、ホテル関係者達の仕事に対する情熱であったり、ラストの恋の予感であったり。パッションパッション!